2015年12月5日土曜日

思い立って福山・尾道の旅④ おでんから洋食まで何でも安くて旨くて大盛りの大衆食堂系酒場の名店、福山の「自由軒」で旅の醍醐味

福山駅に戻ってきました。
時刻は19時。
尾道を歩いてお腹も空いたので、体調は万全です。


駅前のデパート天満屋の裏にある自由軒が、今日の旅先のお相手。


「洋食、おでん」と謳う看板を見ただけで嬉しくなります。
吉田類的酒場。


定食、丼物などの文字からもわかるように、大衆食堂系酒場。
しかも洋食、と標榜しているところが私の琴線に触れました。
先代は、もとは洋食のコックで、1951(昭和26)年に、ここ自由軒を創業したそうです。


暖簾をくぐって中を覗くと満員のようです。
「おんな酒場放浪記」で見た、元気な女将さんが中から出てきて
「もうちょっと待ってて」
と言います。
もうじき空くのでしょう。
ついていました。
もっとも、他に店の当てもありませんし、このために新幹線で来たのですから意地でも待ったとは思いますが。


5分ちょっとで店内へ。
20人ほどが座れるコの字カウンターはびっしり満員。
しかも、意外なことに若い方や、女性客も多く、かなり幅広い方に愛されている大衆酒場だとわかります。


入口脇には食堂の証である、小鉢の入った冷蔵庫。
テンションが上がります。
しかし、今日は食べようと思って決めて来たものがたくさんあるので、浮気は出来ない状況です。


プレートのあるメニューは定番の食堂系。
元々は食堂としてこのメニューからスタートし、次第に短冊が増えたのだろうと、勝手に推測します。


メニューが多すぎて、自分が決めて来たもの以外のチョイスが定まりません。


「落ち着け」
と言い聞かせ、まずは生ビールおでん、そしてキモテキを頼みます。
ここまではこの店を訪れた倉本康子さんと同じ。
泰然自若を装い、常連ぽくスタートしているように装いますが、内心はかなり動揺しています。


おでんは大根と玉子。
ここはおでんをお皿に入れて、汁を切ってから味噌ダレをかけます。


淡口のおでんは出汁がよく滲みています。
汁を切ることで、味噌が薄まらないということなのでしょう。
甘辛い味噌ダレが良く合います。


厨房は大鍋を豪快に振って炒め物を作るご主人と息子さん(?)の姿が見えます。


キモテキが出て来ました。


その名の通りレバーのステーキ。
一口大の大きさに切ったレバーをケチャップ味でソテーしたもの。
少し和の風味がするのは、もしかしたら、ケチャップに醤油が混じっているかもしれません。


実に食べやすい味。
私はレバーが好きですから気になりませんが、そうでない人にも癖の無い味です。
疲れ気味の私には、付け合せの生野菜とセットで栄養補給になります。


私の座ったテーブルの後ろにはたくさんの短冊。
ようやく私が頼みたいメニューが見つかりました。


豚ねぎです。



ネギを豚バラ肉で巻いて揚げたもの。
シンプルですが、実に旨いアテ。


そのままでも肉の味がして美味しいのですが、ソースもかけてみました。


キモテキのケチャップも合います。
先ほどのキモテキもそうですが、これにライスと味噌汁を付ければ、立派な定食です。


ここでハイボールに切り替え。


オムライスが出て来ました。
そもそもが大好物の上に、常連さんが皆頼むとあっては、無視できないメニューです。


美しい玉子の焼き色。
福神漬けが赤いのも、ポイント高し。


巨大なオムライスは、みっしりとケチャップライスが詰まっています。


洋食ですから、洋酒と合うのは必然です。


オムライスが合い過ぎて、ハイボールをお代わり。
ハイペースです。


注文はカウンター内の正面でおでんの番をする美人のお姉さんにお願いするのですが、彼女も忙しいので声をかけるタイミングが難しいのです。
お姉さんが奥の厨房に向かって、注文を叫ぶと、名物女将が更に大きな声で復唱します。
これが、この店の明るい雰囲気を創り出しているのです。
メニューによっては店員さんの間では符牒や略語になっていて、「ワンカツ 一丁!」というのは「一口カツ」のことでした。
思わず吹き出しそうになりました。



カキフライ
広島に来て、頼まない法はありません。
これもかなりのお客さんが頼んでいたので、私ものっかりました。


タルタルソースにつけて。


鮮度の良いプリプリの牡蠣。
今食べておくべき一品です。


ロールキャベツを頼みました。
これも人気の名物です。


おでん鍋で煮て、やはり味噌ダレをかけるのですが、私が頼んだ後に他のお客さんが生姜醤油をかけてもらっているのを見て愕然としました。
姫路おでん風にも食べられるのです。
ロールキャベツはそれで食べたかったと残念無念。


カキレモン、というメニューがずっと気になっていました。
ちょうど私の隣のお客さんが注文したものをみて、衝撃を受けました。
生カキのことなのです。
私は慌てて注文しました。

お酒は芋焼酎のロックに切り替え。
そろそろ追い込みです。



来ました!
カキレモン
ポン酢がかかっていますが、更にレモンを絞ります。
これがカキレモンの由縁なのでしょう。


フライも生も食べられて、幸せいっぱいです。


もちろんエキスの滲み出たポン酢は飲み干します。


もう何もお腹に入りません。
さすが、名店。
近くにあったら間違いなく通う、美味しくて、安くて、人情溢れる温かいお店でした。




関連ランキング:居酒屋 | 福山駅



自由軒居酒屋 / 福山駅

夜総合点★★★☆☆ 3.6


福山駅に戻ってきました。




帰りはさくらを取りました。指定席は二列なのでグリーン並のゆったりさ。


駅ナカのコンビニで買った缶酎ハイで仕上げ。
このボトル置きはとても便利です。


あっという間に新大阪です。
急に思い立って出かけた福山・尾道でしたが、密度の濃い、思い出深い旅となりました。


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思い立って福山・尾道の旅③ 映画のロケ地としても知られる尾道の美しい風景を千光寺山から眺め、懐かしく美しい町を散策

尾道は、私にとっては映画の舞台という印象がとても強く残っている街です。
特に、尾道を深く愛して止まない大林宣彦監督の「時をかける少女」は私が社会人になった年に公開されたこともあって、その懐かしく美しい町並みを、いつか見てみたいと思っていました。

念願の尾道ラーメン朱華園で食した私は、まず町全体を眺めてみようと千光寺山ロープウェイに乗って、千光寺公園を訪ねることにしました。


千光寺公園の頂上まで3分間で結ぶロープウェイ。


車窓からは日本遺産に認定された、箱庭のような尾道の街並みを、ガイドの案内で楽しむことができます。


山の中腹にある千光寺を横目に見ながら、ロープウェイは上がっていきます。


巨石群は信仰の対象となっています。


山頂駅に着きました。
展望台に上がってみます。


眼下に、さっき歩いた商店街を中心とした尾道市街と、尾道水道を挟んで対岸の向島が見えます。
川のような幅しかありませんが、瀬戸内海なのです。


12月なので、日はどんどん傾いてきました。
散策の時間はあまり残されていませんが、夕日を見れたのは良かったです。


しまなみ海道が見えます。
その先の半島の先端が、つい数時間前に散策した鞆の浦と鞆港になるはずです。


「やっぱり、もっと以前に来て、自転車で渡るべきだったな」
と後悔しても遅いとはわかっていますが、残念でなりません。
もう、私は東京に帰るのです。


しっかりと、この風景を目に焼き付けました。
私の残りの人生で、もう一度見ることができるでしょうか。


「文学のこみち」と名付けられた坂道を下っていきます。


紅葉を見ることができました。


中腹まで下りて来ました。
千光寺です。


大師堂には縁結びの愛染明王も祀られています。
女性に人気のパワースポット。


玉の岩
境内には様々な形の巨石群がありますが、中でもこのお寺のシンボルとなっている「玉の岩」は、その昔、岩の頂に光る玉があり、このあたり一帯を照らしていたとの言い伝えがあります。
そのことから尾道水道は別名「玉の浦」とも呼ばれています。


鐘楼がある、ここからの眺めも、実に素晴らしい。


巨石の上にある護摩堂


俗に赤堂と呼ばれる千光寺本堂
806(大同元)年、弘法大師の開基とされる真言宗のお寺。
千光寺山の中腹に位置し、境内からの展望は尾道を代表する風景のひとつです。
初詣のスポットとしても知られ、例年多くの参拝客が訪れます。


本尊千手観世音菩薩は、33年に一度開帳の秘仏です。
俗に火伏せの観音とも称されています。


次第に日が暮れて来ました。
先を急ぎます。


鎖山
平成15年ごろに住職が、「本堂からとは違う一段上からの素晴らしい眺めと奇岩を見てもらいたい」と石鎚山を整備し始めたことがきっかけで、62年振りとなる2005(平成17)年から一般の参拝客にもお参りできるようになりました。
もう17時を回っていたので門は閉鎖されていました。


大仙堂三十三間堂


かなり山から下りて来ました。
天寧寺三重塔
この塔越しに見る風景は尾道を代表する風景としてたびたび紹介される場所。
もちろん私も記念写真を撮りました。


ふと見ると猫がいました。
この先の猫の細道から来たのでしょうか。


ここから先は猫の細道
天寧寺三重塔から招き猫美術館からにかけて続く約200mの細い路地。


作家の園山春二先生が生み出した「福石猫」を1998年からこの路地に置きはじめ、この愛称で呼ばれるようになりました。


猫の通り道とも重なっているので、よく猫を見かけることもあるそうです。


また周辺には空き家を再生した隠れ家的なお店や美術館もたくさん点在しているアートスポットです。 


山から下りて来ました。
麓にある艮神社(うしとらじんじゃ)は旧市内で最古の神社と言われています。
この境内では、映画「時をかける少女」「ふたり」のロケが行われました。


境内に生えている大楠は樹齢900年と言われ、幹の周囲は約7m。
天然記念物にも指定されています。




駅で貰った観光案内図を参考に、古寺巡りをしようと思っていましたが、もうすっかり暗くなってしまいました。


車も通れない細い小道を入っていきます。


坂を上がると、天満神社


更に階段を上がります。
この辺りに住んでいる人は買い物も大変だな、と感じます。


大山寺


別名「天神坊」と呼ばれ、延久年間(1069〜1074)頃の中興と言い伝えられています。
境内には「日限地蔵」があり受験生からの信仰が篤く、受験シーズンには隣の御袖天満宮と共に多くの受験生が参拝します。


とっぷりと日も暮れました。


西国寺にも足を向けましたが、もう真っ暗なので参拝を諦めました。


市街地に戻って、海沿いを歩いてみます。


狭い海峡を複数の渡船が往来しています。


接岸したと思ったら、すぐに人と車が吐き出され、再び人と車が乗りこむとすぐに出航します。
まるで船とは思えない、迅速さに驚きます。


遠くにライトアップされたしまなみ海道が見えます。


対岸には、5色にライトアップされた造船所のクレーンが見えます。
海峡が狭くても海は深く、しかも瀬戸内海の交通の要所とあって、造船業が発達しました。


尾道駅に戻ってきました。


岡山行の黄色い電車が入ってきました。
再び福山に戻り、名店居酒屋で一杯というプランなのです。


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