2015年10月9日金曜日

7泊8日北陸ツーリング㉖【6日目】 20年ぶりの白川郷は、世界遺産認定の功罪を感じる、ほろ苦い訪問

昨日は新潟県まで足を伸ばしましたが、今日は岐阜県へ。
素晴らしいジビエ料理を食べた後、国道156号線を南へと走ります。
今日もいい天気です。



岐阜県に入りました。
白川村です。


国道156号線は白川郷内通行禁止。
集落を流れる庄川を挟んだ反対側に大きな駐車場が出来ていて、車はそこに止めることになっています。
駐車場へのアプローチに建つ合掌造りの家々は、村内各地の合掌家屋を当地に移転し合掌造り民家園として、施設利用されています。
白川村の歴史や文化を学べる施設と共に、飲食店や土産物店として再利用されています。
貴重な文化遺産を守るためですが、どうにもテーマパークのような奇異な印象は否めません。


総合案内所でパンフレットを貰います。
実に多様な言語が用意されています。


橋を渡って、白川郷萩町地区へ。


自分自身の記憶が曖昧なせいもありますが、すっかり綺麗に整備され、観光地然としています。
そしてご多聞に漏れずインバウンドの観光客があちこちで記念写真撮影。
歴史に思いを馳せるよりも、記念撮影に意味があるようです。


どの家屋も民宿や飲食店、土産物店となっていて、生活感は感じられません。


やっと庭仕事をしている方を見つけました。


美しい日本に原風景なのに、どこかよそよそしく感じるのは私だけなのでしょうか。


かつて駐車場だった場所は、整備されて広場になっていました。


20年前、まだ小さかった息子たちと一緒に見学した家屋も、どこだったのか思い出せません。
とりあえず、和田家に入ってみることにします。


荻町合掌集落で最大規模を誇る合掌造りです。
江戸期に名主や番所役人を務めるとともに、白川郷の重要な現金収入源であった焔硝の取引によって栄えました。


現在も住居として活用しつつ、1階と2階部分を公開しています。


和田家代々で使用された遺物や民具が展示されています。


子供たちと見学した施設は、二階にびっしりと民具が並んでいて、屋根裏まで上がれた記憶があるので、この家ではなかったようです。


二階から外を眺めてみました。


和田家を出て、用水路沿いに歩いてみます。
観光客のいない、合掌造りの風景を切り取って撮影するのは至難の業。
かくいう私も観光客なので、言えた義理はないのですが。


もう一軒、見学して見ることにします。
長瀬家は250年つづく旧家で、初代から三代目までが医者でした。


5階建ての合掌造り家屋で、1階には500年前の作と云われている荘厳な仏壇の他、美術品・什器等を展示しています。


3、4階には昔からの生活用具を展示。


思い出しました。
子供たちと来たのは、ここでした。


約11メートルの一本柱(合掌柱)が屋根の勾配の上から下までを貫き、大きな屋根を形作っています。
ようやく、自分の記憶のある白川郷を見つけました。


明善寺郷土館
文化財の庫裡(くり)、鐘楼門、本堂、イチイの木によって知られる由緒あるお寺です。真宗本覚寺より分派した門信徒により1748年に創建されました。
本堂、庫裏、鐘楼と合掌造りのままなのは他に類を見ないそうです。


なんともほろ苦い気持ちで20年ぶりの白川郷見学を終えて、駐車場に戻ると、相倉集落で会ったおじいさんの石狩ナンバーのカブが止まっていました。
暗い気持ちも吹き飛んで、思わず笑ってしまいました。
道中、お気をつけて。


帰りは東海北陸自動車道白川ICから一気に富山を目指します。



世界遺産認定は、失われゆく優れた人類の文化遺産の保存と継承が重要な目的のひとつですが、こういう形でしか、その目的を達することができないものなのか、と功罪を感じる訪問となりました。
それでも、その現実を目の当たりにして知ることができただけでも、はるばる来た甲斐があったと思いました。



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